昨年亡くなった、ロシアのバリトン歌手:ディミトリ・ホロストフスキー(Dmitri Hvorostovsky)
彼の歌う「道」(オシャーニン作詞)。
この歌は間違いなく、ロシアで愛された名曲。YOUTUBEでこの曲の演奏の多さ、それよりも
観客(特に高齢者)を見るとよくわかる。
この曲は日本でもとても愛された。ロシア民謡の中でも間違いなく名曲の部類に入る。僕の
母も大好きな曲だと言ってたが、母は結婚前に合唱をやってて、この歌を歌った際にソロをとる
男性が素敵だったと言ってたな。
恐らく当時ソビエトから日本に入ってきた演奏は、アルテュール・エイゼン(バス歌手)のレコード
以外ないんじゃないかな。基本、バスのソロで(日本語訳詞は中央合唱団)、イントロが
チェロ(ピアノ)の抒情的な旋律のもの。
家にある楽譜はピアノ伴奏だが、そのまんま。
Dm-Gm-C7-F/A7-Dm-Gm6-A7-Dm これに乗せてメロディーがうねるように降りてくる。
これが定番で、この曲はこれ以外にはないと思ってた。実際Youtubeで聞かれる演奏はどれも
これを踏襲してるんだ。
で、少し前に見つけた男声合唱演奏。これがこれがカッコいい。
スベシニコフが亡くなり、アカデミーロシア合唱団が無くなった(かどうか知らないけど)あと、
ロシアの無伴奏合唱団はどうしたんだろと思っていたが、この人達、なかなか良いじゃないか。
(そういえば数年前、アレクサンドロフアンサンブル:赤軍合唱団も飛行機事故で消滅した)
この演奏で、初めて別のイントロバージョンがあるのを知った。
時々客席で一緒に口ずさんでるハゲおやじが当時のモスクワ市長ルシコフ氏。
この歌。実に泣けるよね。きっとみんなにとっても自分自身の歌なんだよね。
Мужской хор Московского Сретенского монастыря
モスクワ スレテンスキー修道院男声合唱団?
https://www.youtube.com/watch?v=j6V5kqKt5ss それが最初なのかは解らないが、冒頭のホロストフスキーの演奏の前奏は、合唱版に更に
ピアノの淡々としたイントロのイントロが付いている。
男声バック版以外にも混声伴奏版等あるけど彼の演奏の基本はコレ。
日本語訳付
https://www.youtube.com/watch?v=9-1uDyLqyWw 日本語訳ないけどこっちが映像良い
https://www.youtube.com/watch?v=4Pvdc5N6rJA 上記のイントロと対比させると、
Dm-Gm-C7-FM7-Bm△5-B♭6-A7sus4/A7-Dm
てな感じ。もとの「重く、最初から沈殿していく旋律」からヒネリを利かせて壮大にしているね。
歌詞が良いのは、戦勝記念大会のために作られた曲(らしい)でありながら、
国威発揚的な語句を排し、抒情性溢れるものに終始している事か。
日本にも受け入れられた大きな要因だろうね。
敢えて日本の近い歌を探すとすると「戦友」かな。
さて。これをどう料理するか。